ラルフ・B・テイラー著
島田貴仁・羽生和紀監訳
島田貴仁・高木大資・羽生和紀・芳賀道匡・本山友衣翻訳
『コミュニティ犯罪学──個人と社会をつなぐ生態学的アプローチ』(日本語版)
本書の内容
本書はラルフ・B・テイラー(Ralph B. Taylor)著Community Criminology: fundamentals of spatial and temporal scaling, ecological indicators, and selectivity biasの全訳である。著者のテイラー教授の専門は環境心理学であり、2019年現在、米国の実証的犯罪研究の拠点のひとつであるテンプル大学刑事司法学部で教鞭を取っている。
本書は以下の四点から、今後の日本の犯罪研究および実務に有用だと考えられる。第一に、コミュニティを軸に犯罪の原因論と機会論をバランスよく論じており、少子高齢化や国際化が予想される日本社会や、地域での再犯防止のニーズを先取りしている点,第二に、コミュニティにおける犯罪の時間的・空間的変化について,計量経済学的な手法も用いて議論しており,近年日本でも注目されている「エビデンスに基づく政策形成」との親和性が高い点、第三には、2019年から全国で公開された犯罪オープンデータを用いたコミュニティと犯罪の実証研究に有用である点,第四に、各地で進んでいる犯罪対策における実務家と研究者の協働の基盤になる点である。
目次
日本語版への序文
謝辞
第1章 概要
第2章 コミュニティにおける三つの中核的な犯罪シーケンス
第3章 空間スケーリングI 妥当性と概念的な重要性
第4章 空間スケーリングII コミュニティと犯罪の関連に関するメタ理論化
第5章 空間スケーリングIII 場所の犯罪学およびホットスポットの解明
第6章 時間的スケーリングI サイクルと変化
第7章 時間的スケーリングII 時間的動態メタモデル
第8章 生態学的指標 モデルの比較と意味の確立
第9章 選択バイアス メタモデル、選択効果、近隣効果
第10章 統合とメタ理論の問題 進歩は可能か
注記
引用文献
訳者あとがき
索引
訳者略歴
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※ 国立国会図書館に納本してあります。
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