D.リチャード・A.ブラッチンスキー・L.ノーワー編著
西村直之監訳
『ワイリーブラックウェル ギャンブリング障害 ハンドブック』(日本語版)
本書の内容
本書は大きく3つのパートで構成されています。第6章までの最初のパートでは、本書全体の概要が示され、概要に続き、ギャンブリングに関連する疫学、神経科学、行動危険因子、脳と行動の関係、パーソナリティ因子などの、最前線の研究を理解するための基礎的研究の成果が並びます。続く第2パート(第7章~第13章)では臨床に寄与する論文が並び、事例の概念化、評価、治療に焦点が当てられています。認知行動療法や相互援助グループのアプローチなどが詳しく説明されています。最後の第3パート(第14章~第19章)では、ギャンブリングに関する幅広い分野の説明が展開されています。例えば、高齢者の、女性の、インターネットのギャンブリング障害などに関して各論が掘り下げられています。加えて法的問題や栄養の問題なども取り扱っています。最終章となる第20章では、今後の研究の方向性を論じています。
本書が書かれた後もさらに学術的にも対策の実践も進歩が続いていますが、この本を記した研究者らは現在もその進歩を支える一線にあり、「ギャンブリング障害」(disordered gambling;障害レベルのギャンブリング)を学問的・臨床的・実践的に学ぼうとする人々にとって、基礎から発展までを学ぶことができる、非常に有益な書物であるといえます。(監訳者より)
目次
編著者による序文
序文 ギャンブリングのゴースト、シャドー、そして分類
1 章 障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)の概念化と診断
2 章 疫学 — 国際的視点
3 章 神経科学と神経心理学からの貢献
4 章 障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)における行動危険因子と治療への示唆
5 章 ドパミンと学習 — 障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)における脳と行動との相互作用
6 章 障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)とパーソナリティ特性
7 章 事例の概念化 — 障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)の症状を示すクライエント
8 章 問題ギャンブリング(Problem Gambling)の評価手段と簡易スクリーン
9 章 認知行動療法 — 研究の成果を臨床診療につなげる
10 章 女性の問題ギャンブリング(Problem Gambling)に対する認知行動療法
11 章 ギャンブラーズ・アノニマスを理解する — 医療従事者のためのガイド
12 章 CARE モデル — 業界-政府-ヘルスケア提供者の連携を改善する方法
13 章 障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)の治療結果の予測因子
14 章 10 代、大学生、若者の間のギャンブリング
15 章 テクノロジーがもたらすギャンブリングとゲーミングの融合
16 章 ギャンブリングと高齢者
17 章 インターネットギャンブリングと障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)
18 章 法的・金銭的な問題と障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)
19 章 ギャンブリング障害(Gambling Disorder)関連のメンタルヘルス状態に栄養が与える影響
20 章 障害レベルのギャンブリング(Disordered Gambling)の治療における研究の方向性と未解明の諸問題 — 実証研究の結果
索引
監訳者あとがき
※ 研究者・支援機関等にはご希望の場合、配布しています。(送料はご負担ください)
※ 数に限りがございますのでご希望に添えない場合はご容赦下さい。
※ 国立国会図書館に納本してあります。